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崎浦溶結凝灰岩

 溶結凝灰岩
 崎浦付近の二の浜海岸遊歩道沿いでは,淡い赤紫~オレンジ色の地層がみられます(写真1,2)。地層名は『崎浦凝灰岩部層』であり,主要な岩相は,溶結凝灰岩,凝灰角礫岩,火山礫凝灰岩,粗粒凝灰岩です(三浦,1957)。ここでは溶結凝灰岩を観察することができます。溶結凝灰岩は,火山噴火で放出された火山砕屑物が堆積後に自身の熱で部分的に溶け,さらに自身の重さで圧縮される(溶結する)ことによってできた岩石です。岩の表面をじっくり観察してみましょう。一定方向に引き伸ばされた黒っぽいガラスが見つかると思います(写真3)。これは「本質レンズ」といって,軽石が熱で再溶融し,圧密で引き伸ばされながら急冷してできたものです。その他にも,溶結凝灰岩中には色々な種類の岩片が含まれています(写真4)。これらは「異質岩片」といって,爆発的噴火の際に吹き飛ばされ,堆積物中に取り込まれた火口付近の岩石であると考えられます。
 写真1.崎浦の漁港から二の浜海岸遊歩道を少し西へ移動した地点.  写真2.写真1の場所からさらに西へ移動した地点.
 
 写真3.溶結凝灰岩中の本質レンズ.   写真4.溶結凝灰岩中の異質岩片.