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二の浜

 マグマの通り道
 二の浜には赤色っぽくて丸いレキ(石ころ)がたくさん分布しています(写真1)。これらは,浜の東側にある崎浦溶結凝灰岩が波によって侵食され,転がされて丸くなったものです。そのため二の浜は全体的に赤色っぽくみえます。浜の中には,ひと際目立つ黒色っぽい岩石が突き出ています(写真2,3)。これらは大トラ・小トラ(それぞれ東・西)と呼ばれており,安山岩質の溶岩でできています。大トラには,地面に対して垂直方向の柱状節理が形成されています(写真3)。一方,小トラの方は板のような形をしており,地面に対して水平方向(板の面に対して垂直方向)の柱状節理が発達しています。これらの特徴は,小トラが岩脈(マグマの通り道)であることを示しています。マグマが地下から板のような形で地層中に貫入し,両側の壁から冷やされることによって写真2のような水平方向の柱状節理が形成されたと考えられます。岩脈の周囲の地層は比較的やわらかくて侵食されやすかったため,比較的侵食に強い岩脈だけが取り残されたのでしょう。
 写真1.二の浜.淡い赤紫色~オレンジ色のレキが特徴的.向こうには崎浦溶結凝灰岩からなる岩場がみえる.

 写真2.小トラ.地面に対して水平方向の柱状節理が特徴的.
 
 写真3.大トラ.地面に対して垂直方向の柱状節理が特徴的.