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猫の小判

 柱状節理と板状節理
 雄島橋を渡って階段を上がると遊歩道があります。この遊歩道を歩いて雄島を一周することができます。森の中の遊歩道を時計回りに歩いて行くと,すぐに大湊神社があります。大湊神社からさらに進むと,少し開けた場所に到着します(写真1)。この場所では,雄島の流紋岩溶岩の柱状節理(溶岩が冷え固まる際に形成される柱状の規則的な割れ目)の断面(四角~五角形)を観察することができます。写真1は通称『猫の小判』という場所です。下まで行くことは可能ですが,急な崖なので危険を伴います(写真2)。この場所では,柱状節理の他に板状節理(溶岩が冷え固まる際に形成される板状の規則的な割れ目)を観察することができます(写真3,4)。板状節理は流理構造(粘り気の大きい溶岩が流れる際に形成される縞状構造)とほぼ平行に,また柱状節理の伸び方向とほぼ直行する向きに発達しています(吉澤,2013)。
 写真1.崖の上から見た『猫の小判』.  写真2.『猫の小判』へ続く崖.
 
 写真3.柱状節理(縦方向)に対しほぼ垂直に発達した板状節理.   写真4.幅の小さい(1 cm未満)板状節理が発達している. 
 

引用文献
吉澤康暢(2013)雄島の流紋岩の流理構造.福井市自然史博物館研究報告,60,11-20. LINK