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水族館北西の小島

 放射状の柱状節理
 越前松島水族館の外(北側)にはレキ浜(石ころの浜)があり,水族館内から下りて行くことができます。さらにそこから北西の小島に橋が架けられており,渡ることができます(写真1,2)。小島をつくる岩石は越前松島の溶岩です。約1300万年前の火山活動で形成されました(東野・清水,1987)。ここでは見事な柱状節理(溶岩が冷え固まる際に形成される柱状の規則的な割れ目)を観察することができます。ここでは柱状節理の伸び方向が放射状になっています(写真3,4,5)。柱状節理は,溶岩が冷え固まる際,溶岩内部の等温面に対し垂直に形成されます。つまり等温面は柱状節理の伸び方向に対しほぼ垂直であったはずです。等温面がどのような形状をしていたのか考えてみましょう。例えば写真3では,柱が集まっている点を中心として,そこから同心円状に等温面があったのかもしれません。なぜ複雑な形状の等温面になったのか,よくわかっていません。越前松島水族館を訪れた際には是非北西の小島へ渡り,溶岩の冷え固まる過程を想像してみましょう(※小島へ渡るためには入館料が必要です)。
 写真1.水族館外の小島とそこへ渡る橋.  写真2.橋を渡った地点.柱状節理の間を通って小島へ
 
 写真3.放射状の伸び方向を示す柱状節理. 
 写真4.放射状の伸び方向を示す柱状節理2.  写真5.放射状の伸び方向を示す柱状節理3.
 
 

引用文献
東野外志男・清水智(1987)福井県三国海岸に産出する火山岩類のK-Ar年代.石川県白山自然保護センター研報,14,25-30. LINK